小型プリンターの故障、修理か、買い替えか

周辺機器

・この記事は、中小企業でプリンターの選定や管理を担当している方向けです

企業が一般家庭用のプリンターを導入すると

企業が複合機を導入する場合は、本体はリース、保守契約もセットで、というのが一般的。しかし、小規模の営業拠点の場合、スペースがなかったり、そこまでの性能はいらない、それより経費を抑えたい、といった理由で、いわゆるSOHO、一般家庭向けの小型の複合機を入れる場合もある。私の勤務先でも、いくつかの拠点で5〜6万円で購入できる複合機を使っている。また写真をプリントして、お客様に渡す必要があるため、小型のインクジェットプリンターを使っている拠点もある。こうしたプリンターたち、価格帯は安いので購入時はいいのだが、壊れてしまった時に困ったことになる。実はここ最近、こうしたプリンターたちが次々と故障し、少々振り回されている。

保証期間終了後に故障すると困ったことに

例えば5年以上使ったプリンターなら「寿命でしょ」といえば、納得してもらえるが、問題は保証期間が終わったばかりの場合である。「もったいない、修理できないの?」という話になる。そこで、勤務先で実際に使用している機種について、故障した際のメーカーの対応について、実体験も交えてまとめてみよう。

機種名出張費(税別)引取料金技術料(税別)部品代備考
エプソン
PX-S06B
¥3,000¥7,000実費持ち込み修理も可能だが拠点が少ない
引取時に代替機(有料)を貸してくれるサービスもある
キヤノン MF644Cdw¥12,000¥12,000実費この機種は出張修理のみ
ブラザー
MFC-J6983CDW
¥8,000¥18,000※「一般部品」の交換修理の場合は部品代込み。それ以外の部品は実費。

修理せず、買い替えた場合、新品はいくら?

機種名後継機価格(ヨドバシ)
2023年2月現在
納期(ヨドバシ)
2023年2月現在
エプソン
PX-S06B
現行機種¥26,980(税込)在庫あり
キヤノン
MF644Cdw
MF656Cdw¥74,750(税込)取り寄せ
ブラザー
MFC-L3770CDW※
※キヤノンMF644Cdwの
代替機として検討
¥52,770在庫あり
ブラザー
MFC-J6983CDW
現行機種¥38,350(税込)在庫あり

出張修理費+技術料がかかるが、「直せるかどうかわからない」?

エプソンのPX-S06の場合、仮に部品代が¥2,700(本体価格の10%)かかると仮定すると、修理代の合計は、約¥17,000かかることになる。これは、新品の価格の50%を超える金額なので、買い替えたほうが良いだろう、という判断になった。在庫もあって、修理を依頼するより早い、というのも判断の根拠になった。

キヤノンのMF644Cdwは、こちらも部品代の実費を本体価格の10%程度と仮定して修理代を計算してみると、¥27,000くらい。購入当時、MF644Cdwは、¥55,000前後だったと記憶しているので、こちらも修理代が50%近い数字になる。ところがこちらはモデルチェンジしてしまっており、後継機種は、上の表の通り、¥74,750だ。それでは修理か?後継機種は在庫もないので、修理のほうが早そうだ。修理受付も対応が迅速で、さすがキヤノン、と思ったのだが、そのあとがいけなかった。部品代の見込みを教えてもらうために技術の人から連絡をもらったのだが、修理に来てもらっても、直せるかどうか、わからない、というのだ。そしてもし直せなくても、出張費+技術料の¥22,000(税込)は、払わなければいけない、という。それでは、修理依頼する人いないのでは?と聞くと、やはり、諦めて新しいものを買う、という方が多いとのこと。これは困ってしまった。幸い、この複合機は、現場のスタッフが、あちこちいじったり、再起動を繰り返しているうちに復旧。しばらく様子を見る、ということになったのだが、単なる問題先送りのような気もする。それで同等の機能のものを探したところ、ブラザーのMFC-L3770CDWという機種があるのを発見。設置面積もほぼ同じ。価格も¥52,770(ヨドバシ、2022年2月18日現在)で「在庫あり」。耐久性もアピールしているので好印象。担当者と相談して今度、故障したらブラザーのMFC-L3770CDWを買いましょうという話になった。

最後にブラザーのMFC-J6983CDW。こちらはまだ、故障したことはないが、料金について調べておくことにした。修理費用は、一般部品の故障の場合、出張修理で、計¥28,600。本体販売価格の7割以上だ。保証期間終了後に故障した場合は、買い替えということになろう。

買い替える以外に選択肢はないのか?

こうしてみてみると、SOHO、一般家庭用のプリンター、複合機の類は、保証期間後に故障した場合は買い替え、というのが、現実的な判断と言えそうだ。もはや使い捨て、と考えるべきなのかも知れない。などとモヤモヤしていたら、もう一つ選択肢があることを発見した!

SOHO向けの低価格機や小型機にも保守契約が可能だった!

今回、詳しく調べて知ったのだが、各社とも「サービスパック」※と称する「ハードウェア延長保証サービス」が購入可能だった。キヤノンのMF644Cdwの場合、これを利用すれば、MF644Cdwの場合、1年間¥24,200で、訪問修理のサポートも受けられるとのこと。まったく知らなかった。しかも残念ながら、申込みが可能なのは、最初の無償保証の有効期間内ということで、我が営業拠点の当該機は、手遅れ。誠に遺憾です。

ブラザーの場合は、「1年の保守サービスは、製品購入後4年以内で、かつ装置寿命内の製品であればご契約可能」とのことなので、弊社で使用中のMFC-J6983CDWも契約可能だ(ブラザー親切!)。MFC-J6983CDWは、1年間の保守で¥17,600(税込)。さっそく問い合わせてみたいと思う。

エプソンにも「エプソンサービスパック」という保守契約があるのだが、HPによると「製品本体と同時にご購入いただける、定額保守サービスです」とあるので、契約条件は、今回調べた3社の中で、一番厳しいかも。本社にまだ購入したばかりで開封していないPX-S06が1台あるので、ダメ元で問い合わせてみたい。

機種名1年間の保守契約備考
エプソン
PX-S06B
近日中に問い合わせ
キヤノン
MF644Cdw
¥24,200(税込)3・4・5年のサービスパックもあり。
(1年のものより割安)
キヤノン
MF656Cdw
¥24,200(税込)3・4・5年のサービスパックもあり。
(1年のものより割安)
ブラザー
MFC-L3770CDW
¥49,500(税込)割安な3・5年のサービスパックあり。
(1年保守は、販売価格に近い金額w)
ブラザー
MFC-J6983CDW
¥17,600(税込)3・5年のサービスパックもあり。
(やはり1年のものは割高)

これまでこうした保守契約は、オフィス向けの大型機のみが対象だと思いこんでしまっていた。まだまだ勉強不足である。今後、SOHO向けの製品を購入する際は、「サービスパック」の契約も前提にして、機種選定をするようにしたい。

※契約条件や保守の内容は各社いろいろで、料金も当然、機種により違ってくる。詳細は、各社のHPで最新情報を確認していただきたい。

エプソン サービスパック
https://www.epson.jp/support/hoshu/service_pack/

キヤノン サービスパック
https://canon.jp/support/valuable-service/csp

ブラザー サービスパック
https://www.brother.co.jp/product/support_info/s-pack/index.aspx