画像の大きさについて その2

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巨大化するプロ用デジカメの画像サイズ

カメラマンから納品された画像のデータ量の大きさに閉口されたことはないだろうか。最近のプロ向けのデジカメの画素数が巨大化しているのがその一因だ。昔のデジカメの画像サイズは、せいぜい、長辺4000ピクセル程度、JPEGの高画質(低圧縮)で保存しても、2〜3MBで保存できたと思う。しかし、最近のプロ向け(あるいはハイアマチュアの方向け)のデジカメは、画素数が増大し、長辺が8000ピクセル以上のものも珍しくない。絵柄にもよるが、JPEG(高画質)だと、10MBを超えることもあるだろう。非圧縮のファイル形式で保存すると、100MBを超えるデータ量になる。数点だけなら大した問題ではないが、数十点、数百点となってくると、受け渡し方法も考えなくてはならないし、頻繁に撮影があるとなると、保存方法についても、悩ましい問題になる。サーバーなどの環境が整えればいいのだが、正直、キリがない。

カメラマンに悪気はない

巨大なデータを送ってきたからと言って、カメラマンに悪気はない。これは画像サイズに関しての昔から言われている「大は小を兼ねる」の原則で彼らが判断しているからだ。また、画像をどうトリミングされるかも、彼らには予測がつかない。画像を使う側の人間は、トリミングの自由度を確保したがるので、「もう少し、引きで撮っておいて」とカメラマンに指示しがちだ。引きで撮った写真を、例えばモデルの上半身だけ切り取って使ったり、横位置で撮影した画像の左右を切って縦位置の写真として使わうこともある。そうなると、ピクセル数が半分以下になってしまったりする。だったら、「大は小を兼ねる」で、一律、最大サイズで納品しておこうという考え方になるのも無理はない。

拡大が必要になった場合は?

それでも画像の拡大が必要になる場合がある。そういう場合はPhotoshopなどで拡大する。ちなみに拡大は良くないが、縮小は画質が劣化しない、と思っている人がいるが、これは誤解である。画像サイズの変更は、拡大、縮小を問わず、画質を劣化させる。画像サイズの変更は、たとえ縮小でも回数を最小限にとどめたい。また、トリミングによるサイズ不足については、最近登場した、AIによる背景拡大という方法もある。ある程度まで拡大し、あとはAIに埋めてもらって・・・、というやり方も悪くないと思う。

画像拡大の許容範囲は?

元画像の絵柄や状態によるので一概には言えない。特にJPEG(jpg)形式の場合、圧縮率によって画質が大きく変わってくるので、拡大率だけでは判断できない。実際に拡大してみて、許容できる範囲か、自分の目で見て判断するしかない。ただ、目安として参考になるのは、Photoshopによる画像拡大で最もきれいに拡大できるのは、150%の拡大である、ということ。不思議なことにいきなり225%拡大するよりも150%を2回繰り返した(1.5x1.5=2.25)方が、シャープネスが保たれる場合もある。(先に述べた、画像サイズの変更回数は最小限に、という話と矛盾するが事実)
個人的な意見になるがあえて申し上げると、非圧縮のファイル、可逆圧縮のLZW圧縮で保存されたTIFフォーマット、同じく可逆圧縮のPNGフォーマットであれば、150%の拡大については、実用上問題ないと思う。(Photoshopで拡大する場合の話。他のアプリでのリサイズについては、検証していないので、ご注意ください)