画像の大きさについて

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広報関係の仕事で使用する画像の大きさについて、悩んだことがある方向けの記事です

必要な画像サイズは用途によって決まる

大きさが足りないと画質が保てずチープな印象のものになってしまう。逆に「大は小を兼ねる理論」でやたら大きな画像ばかりでは、サーバー容量を浪費するのみならず、画像の支給の際もメール添付できなかったりするので、無駄な手間が増えたり、関係者の顰蹙を買ってしまったり、ロクなことがない。広報・宣伝担当であれば、販促用画像の適切なサイズについて、最低限、知っておくべきことがある。

ウェブ用の画像の大きさ 

ウェブ用の画像の大きさは、どれくらいの大きさが必要か?一般的なノートPCのモニターであれば、表示される画素数は、ほとんどが、長辺1920ピクセルである。だからPC用のウェブサイトのトップページで使うメインの画像も、1920ピクセルあればよい、ということになる。スマホの場合は、機種により異なるが、短辺の方の画面解像度は、1920ピクセル以下だ。

機種名短辺(dpx)長辺(dpx)
iPhone 1211702532
Galaxy S21 Ultra 5G14403200
Galaxy S21 5G10802400
iPhone 11 8281792

ただし、こちらもトリミングが必要になる場合もあるので、保存するサイズには多少、余裕を持たせて、長辺2500〜3000ピクセル程度、と考えておくとよいだろう。

YouTubeなどの動画用素材の大きさ

YouTubeなどの動画のサイズは、一般的な横長タイプであれば、1920x1080ピクセル というサイズでアップロードされているものがほとんどだと思う。中には4K(3,840×2,160ピクセル)のものもあるが、一般的ではない。販促用の動画は、当面、2K(1920x1080ピクセル)と考えて良いだろう。ただし、動画制作の中で素材として静止画像を使う場合、スライドやズームアップなどの動きをつける場合がある。その場合、やはり1920x1080では、大きさが不足することになる。こちらも余裕を見て、長辺3000ピクセル程度のサイズがほしいところだ。

デジタルサイネージの素材は?

駅などで見かけるデジタルサイネージ。画面サイズが大きいいので、ピクセル数もすごいのでは?と思ってしまうが、こちらも実は、1920x1080ピクセル(マルチモニターの場合は、話が別ですが)。映像なので、1080iと表記されることが多いが、同じ意味だと思って差し支えない。ちなみに1920:1080 というのは、比率で表すと16:9である。通常のテレビの比率も同じ16:9。展示会などで大きめのテレビモニターを使う場合も、1920x1080サイズでコンテンツを作っておけば、問題はない。ただ、こちらも動きをつける演出が多いと思う。素材の画像のサイズに少し余裕がほしいのは、先述の通りだ。

印刷物で使う画像のピクセル数は?

少々わかりにくいのが、印刷物用の画像の大きさ(ピクセル数)だ。

印刷物の場合は、計算が必要だ。印刷するために必要なピクセルの密度は、350ppi(ピーピーアイ)とされている。これは、1インチの長さの間にピクセルが350個必要ですよ、ということを意味する。1インチは、約2.5cmなので、1cmの長さに対して必要なピクセル数(密度)は、350/2.5で、約140ピクセルとなる。そして、この「密度」と「印刷サイズ」で必要なピクセル数を算出することになる。例えば、A4サイズであれば、短編、幅21cmx29.8cm だから、これに140pixel を掛けてやればよい。答えは、2940x4172ピクセルとなる。いちいち計算するのが面倒なので、数字を丸めてしまって、A4は、3000x4000ピクセルくらい、とおぼえてしまうと良い。

カメラマンにも相談してみよう

長辺が3000ピクセル程度あれば、大抵の用途に対応できるのではないか、というのが本稿の結論である。カメラマンにも、メインで使う画像以外は、3000ピクセル程度のサイズで納めてもらえば、良いのではないかと思う。3000×1800ピクセルであれば、PhotoshopでJPEG(最高画質)形式で保存しても、大したデータ量にならない。JPEGは、絵柄によって保存時のデータ量が異なるので、一概に言えないが、3MB以下に収まる場合が多いと思う。もちろん例外として、あとからキャンペーン展開することが決まって、大型ポスターも必要になった、などというケースもあるかもしれない。そういう不安がある場合は、納品時、カメラマンに、「しばらく元データ(RAWデータ)を保管しておいてもらえませんか?」とお願いしてみるのも良い。良心的なカメラマンであれば、嫌な顔はしないと思う。私のこれまでの経験では、1年以上経ってからより大きな画像が必要になった、という例はないので、1年間のデータ保存をお願いするようにしている。