営業スタッフが持ち歩くためのモバイルプリンターを選ぶ
営業スタッフが訪問先で見積書がプリントできるように、モバイルプリンターを支給したい。ついてはプリンターを選定してほしい、という指示を受けました。2020年のことです。結論として私は、エプソンのPX-S06を選び、8台を導入しました。このブログでは、PX-S06を選んだ根拠と、その後2年間の稼働状態を報告させていただきます。企業のIT担当の方が同様の目的でプリンターを選定される際、あるいはベンダーに提案してもらう際、参考にしていただけると思います。
候補は3つありました
条件として、下記の3点がリクエストされました。
- ノートPCと一緒にバッグに入れて持ち運べること。
- バッテリーで使えること
- ワイヤレスでPCと接続できること。
その結果、以下の3機種を候補としました。
メーカー | 機種名 | 印刷方式 | 収納時寸法 | 本体重さ | 価格※1 |
---|---|---|---|---|---|
エプソン | PX-S06 | インクジェット | w309xd159xh61 | 約1.7kg | 27,280 |
キャノン | TRシリーズ※2 | インクジェット | w322xd185xh66 | 約2.1kg | 30,250 |
ブラザー | PJシリーズ※2 | 感熱式 | w255xd55xh30 | 約0.6kg | 90,200 |
※2 当時、検討対象だった型番は販売終了。名称、スペックは現行機種のものです。(2022年11月現在)
感熱式を選ばなかった理由
私としては当初、感熱式をお勧めしました。インクジェットプリンターは、インクの目詰まりを起こすという問題があります。訪問先でインクが詰まったら最悪です。小型のプリンターゆえ、インク切れが早い、インクカートリッジが高価という難点もあります。感熱式のほうが、本体は高価ですが、ランニングコストですぐに逆転するはずです。また、インクヘッドという機械的に動く部分があるため、感熱式よりも故障が多くなるのでは、という懸念もありました。ところが、現場の人たちから、感熱紙は避けたいと反対意見が出ました。
- 感熱紙が熱で変色してしまうなど、長期保存に不向き
- 独特の紙質、カラー印刷ができないことから、高級感が出せない
高級感・・・、なるほど、単なる「お客様控え」のプリントではないということですね。ということで、感熱式のプリンターは不採用となりました。
選んだのはエプソンのPX-S06
次にキヤノンのTRとエプソンのPX-S06の比較となりました。私個人としては、キヤノンの方が、ビジネス用途向けの製品を得意としているような印象があり、キヤノンに傾いていたのですが、よく調べると、キヤノンの方はバッテリーが別売で外側にアタッチメント取り付ける方式だといいうことがわかりました。バッテリーキットが約1万円、プリンターの大きさもその分大きく重くなるわけで、これは大きく減点。また、量販店の担当者に意見を求めたところ、「エプソンの方がインクを入手しやすい」とのことでした。キヤノンのTRシリーズのインクが、入手困難とまでは言わないものの、店舗にあまり在庫がない、という話でした。(あくまで2020年当時の話です)ネットで購入すればいいわけですが、もし、出先でインクを切らしてしまい、量販店に駆け込んでも在庫がない可能性が高い、というのは、やはり減点ポイントです。最終的にエプソンのPX-S06を8台購入することとなりました。
エプソン PX-S06 導入から2年
購入直後、8台中1台だけ初期不良の疑いがあり、販売店に相談したところ、交換となりました。それ以外はこの2年間、大きなトラブルもなく現場で活躍しているようです。一度、プリンタ速度が異常に遅いという訴えがあり、確認したところ、印刷品質がなぜか「高画質」になっていたことが原因で故障ではありませんでした。あと液晶パネルが小さく操作もしづらいので、Wi-Fiの設定がちょっと辛いかもしれません。ただ、営業さんたちは、各自のポケットWi-Fiで使用します。一度、ポケットWi-FiのSSIDとパスワードを設定してしまえば、それ以降は自動で接続してくれるので、これも大きな問題ではないです。
もうひとつ、これは個人差もあるのですが、バッテリーの持ちが悪い、という声も一人だけからありました。聞くと訪問先1か所で20〜30枚、見積書などをプリントするそうです。それは足りなくなるかも・・・。PX-S06には、外付けでバッテリー増設も可能なので、人によっては、支給を検討すべきでしょうかw(ACアダプタやPCからのUSB給電も可能なのですが、訪問先でケーブル接続はやはり面倒なんでしょうね。特にコンセントをお借りするのは気が引ける、というのは、よくわかります)
まとめ
結論としてモバイル用のプリンターとして、エプソンのPX-S06を選んだのは正解だったと思います。持ち運んで訪問先で使うという厳しい使用状況にもかかわらず、8台とも故障がない※のは、見事です。また今年、1台追加購入して計9台となりました。不安なく追加購入できたので、こういう時、ロングセラー商品はありがたいですね。あとは余談ですが、営業さんたちには、プリンターと同時にサンワサプライのキャリングバッグ(型番:BAG-U54BK2)を支給しています。15.6インチのノートPCと、エプソンのPX-06がちょうどうまく収まります。こちらも量販店で¥4,000前後で購入できると思います。
※訂正:2023年春、残念ながら1台だけ故障しました。詳細はまた別の記事で報告します。
追記:普通紙プリント時の写真画質をテスト
2023年秋、10台目のPX-S06を購入しました。最近、複合機(レーザー)の普通紙プリントの際の写真画質を確認したくなり、比較対象として、その新しいPX-S06(インクジェット)で、写真を普通紙でプリントしてみることにしました。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。