突然、会社案内の動画制作をすることになったら?
人事部に突然、「求人用に会社を紹介する動画を作って、YouTubeにアップしてくれ!」と言われたら・・・、困りますよね。これは実際に私の勤務先でもあった出来事です。 そんな事言われても、機材もノウハウもありません。じゃ、外注?そんなルートも知らないし、予算もないし・・・。しかし、幸いなことに私、前職でちょっとだけ映像制作に関わったことがあり、人事の担当者と協力して、なんとか1本、内製しました。その経験を踏まえてのブログです。映像制作にこれまで縁のなかった方が初めて挑戦される、という場合は、事前にこのブログを読んでおいていただくことで、試行錯誤の時間を大幅に節約することができます。(広告代理店に丸投げできる立派な会社にお勤めの方は、スルーして下さいw)
最低限、購入すべき機材
最低限必要なものは、当たり前ですが、カメラです。おすすめは、DJIのPocket 2で、5万円前後で入手可能です。他のカメラとどう違うかというと、優秀なジンバル機能がついていることです。ジンバル機能とは、スタビライザーの一種で、片手のホールドでもブレません。初心者の映像が見るに耐えないのは、ほとんど、手ブレのせいだと思います。またグリップを急に振っても、カメラの動きがなめらかになるように、スムーズに追従してくれるので、見る人に不快な思いをさせません。このことは、短時間の撮影であれば、三脚がなくてもなんとかなることを意味します。その他に、カメラの代わりにスマホを取り付けて使う、Osmo という製品があります。スマホを使うので、カメラの購入は不要です。スマホなので撮影中に電話がかかってきてしまったり(笑)、不便な部分もありますが、2万円前後で購入可能です。注意点として、どちらの機種も使いこなせるまで、多少の練習が必要です。あと揃えるべきは、マイクとヘッドフォンです。これは後述のナレーションの録音と編集に欠かせません。マイクは「指向性」のものが1本あればいいでしょう。
1.必要な長さになるよう構成を考える
最初の手順になります。まず、大体の映像の長さを決めます。YouTubeで、他社の会社案内を参考にしてください。決めかねたら、5分前後でいかがでしょう。私見ですが、5分というのは、短すぎず、長すぎず、無難な長さだと思います。次に大体の構成を考えます。オーソドックスな構成は、下記のような感じでしょうか。
- 会社の概要を説明。社員数、所在地、どんな事業をやっているか、沿革などを紹介
- 社員が働く姿、事業所など、現場の日常を映像で紹介。社員のインタビューなども入れたい。
- 社長の挨拶
- HPのURL、問い合わせ先、会社説明会の案内など。社員の集合写真などでシメるのもよし。
大体の構成ができたら、それに合わせてナレーションの原稿を作ります。アナウンサーがしゃべるスピードは、1分間でだいたい300字前後と言われています。上記の構成でよければ、最初の会社の説明で、1分〜2分、300〜600字、仕事場の紹介で3分くらいなら、ナレーション、900字くらい。社員インタビューを入れるのであれば、2人として、30〜60秒ずつx2人で1〜2分、300〜600字分くらいになるような想定問答を作るといいでしょう。また、この原稿の段階で上司に内容の確認をしておいた方がいいですね。後からひっくりかえされると、大変ですから。
2.原稿ができたらナレーションを録る
原稿ができたらナレーションを録音します。スマホの録音アプリで大丈夫ですが、マイクは使いたいですね。カメラで自撮りして、音声だけ使うというのもアリです。無人の会議室など、なるべく静かな部屋でテーマごとに分けて録ります。うまく録れているか確認しながら進めましょう。ヘッドフォンでチェックすると、意外なノイズが入っている場合もあります。ノイズを後処理で抑えることもある程度可能ですが、かなりの手間になってしまうことがあります。このナレーションに映像を載せていく、というイメージで映像制作を進めていきますので、ここが基礎工事だと思って下さい。
3.ナレーションに合わせて入れるべき映像を決める
構成ができ、ナレーション録りをすると、どんな映像を入れるべきか、見えてくるかもしれません。オープニングの画像や会社の概要、沿革の説明のところは、パワポで作った静止画でもいいと思います。社内にパワポができる(心の優しい)人がいれば、手書きのラフスケッチを渡して頼んでしまいましょう。その際、大事なのは、パワポから画像に書き出す際のサイズの設定です。最近のスタンダードな映像のサイズは、1920x1080ピクセルで、1080iと表記されているものも、このサイズです。1920x1080ピクセルで作っておけば、YouTubeへのアップやプロジェクターでの投影など、ほとんどの用途に対応できます。パワポで説明用画面などを作る際も、1920x1080ピクセルに設定して作ることがポイントになります。
4.素材となる映像やインタビューを撮る
入れ込む映像がだいたい決まったら、いよいよ撮影です。インタビューなどの出演者を決めて、現場の都合にも配慮しつつ、撮影スケジュールを組みましょう。撮影はなかなか一発オーケーにならないので、時間も余裕を持って押さえて下さい。屋外など撮影場所が天候に左右される場合は、天気に備えて予備日も必要です。
また、撮影時のコツとして、以下の3点は、ぜひ、参考にして下さい!
- 映像関係のプロの方のお話によると、取材ものの場合、建物に入るときの映像を撮っておくことが大切なんだそうです。確かにTVの取材シーンを見ていると、エントランスから挨拶をして建物内に入っていく映像をよく見ますね。これは見る人を引き込むために欠かせないポイントだそうです。
- インタビューの場合は、少し引き気味(画面内で被写体の周辺に余裕をもたせる)にするのがお薦めです。インタビューの場合、インタビュアーによる質問に出演者が答える、というのが一般的な形式になるかと思います。その場合、質問内容を縦書きで出演者の横に、回答内容の字幕を横書きで下にする、というパターンがありますね。そうなったときに人物にアップした映像だと狭苦しい印象になってしまう場合があります。
- 当たり前ですが、みなさん、インタビューに慣れてないので、非常に緊張します。無理のないように、インタビュアーとの対話形式で撮るのがお薦めです。インタビュアーはカメラの脇に立って、質問して下さい。カメラ目線にはなりませんが、自然な感じで撮れると思います。カメラ目線は、慣れていないと緊張して、不自然な話し方になったりするので、おすすめしません。
- どうにでも使えるような、写真で言ったらスナップみたいなものを撮っておくと、あとで役にたちます。映像でも「間」が必要な場合があります。例えば「休憩時間に自販機の前で談笑する社員たち」とか、「青空にはためく社旗」とかwですね。
撮影編 まとめ
非常に大雑把ではありますが、企画(上司からの命令)から撮影までを勤務先での経験も思い出しながら書いてみました。今回は特定の機材やアプリをおすすめするためのブログではないので、それらについては、ご自分でググって下さい。(大量の情報が出てきます)続く「編集編」では、同じように、これまで映像の編集など全く縁のなかった方向けに、着手前に知っておくと役に立つ、基礎の基礎についてお話させていただきます。