NTT「ギガらくWi-Fi」とは
「ギガらくWi-Fi」は、NTTが提供する、店舗やオフィス向けのインターネット接続サービス、という位置づけ。NTT東日本の場合、NTTの営業窓口に頼めば手配してくれる。NTTの光回線を利用していれば、請求も光回線の請求書に項目が追加され、まとめて支払うことができるので、経理での処理も簡単だ。光回線のID(CAF、またはCOPで始まる13桁の番号)で、どこの店舗の経費なのか、わからなくなることもない。もちろん、光回線が、光コラボなどでNTT以外の通信事業者のものであっても、ギガらくWi-Fiの利用自体は可能だ。その場合は、COWで始まる13桁のIDがつくので、これで管理することになる。(費用面から言っても、一般家庭向けのサービスではありませんので、念のため)
ギガらくWi-Fi は サブスク型
特徴としては、サブスク型(レンタル型)で初期費用が不要、ということ。これは、他のベンダーさんで利用できるサービスにはないと思う。サブスク型(レンタル型)なので、月額の費用は何年経っても安くなることはないが、故障時はAP(アクセスポイント=Wi-Fiの電波を出す機器)を交換してくれるので、保守料込みと考えると、リーズナブル。2年未満での解約は違約金が発生するが、それも1万円以下の金額なので、2年未満で解約することになっても、購入型よりは割安感があると思う。むしろ割高になるのは、長期使用の場合かもしれない。先にも書いたが「サブスク型」は何年経っても月額使用料がかかるので、どこかで「購入型」と総費用が逆転することになる。保守料込の安心感はあるが、APというものは、あまり壊れるものではないので、ここは評価が分かれるところかもしれない。
「ハイエンド6」と「ライト」
ギガらくWi-Fiには、「ハイエンド」と「ライト」の2タイプがある。
タイプ名 | 通信方式 | 同時接続(推奨) | 月額費用(税込) | 2年未満での解約 |
ハイエンド6 | Wi-Fi 6 | 100台 | ¥4,180 | 違約金 ¥11,000 |
ライト | Wi-Fi 5 | 30台 | ¥2,200 | 違約金 ¥5,500 |
ギガらくWi-FiのAP(アクセスポイント)は、Cisco Meraki
「ギガらくWi-Fi」のAP(アクセスポイント)は、CiscoのMeraki(メラキ)シリーズ。大きさは機種にもよるが、直近の依頼で設置してもらったAPは、約30cmx15cmx5cmくらいで、イメージとしては、幕の内弁当の箱が少し平たくなったような大きさ。重さは、800gくらい。ちなみに私のような一般人は、この「白い弁当箱」をつい「ルーター」と呼びそうになるが、ルーター機能は持っていない。あくまでアクセスポイント=APである。当然ながら設置する環境には別途、ルーターが必要になるので、念のため。同僚や現場の人にはAPと言っても通じないので、「アンテナです」と説明w
下の写真は、とりあえず店内放送用の機器の上に平置きしたところ。本来は、立てて設置した方が、電波の飛び方は良くなるとのこと。表面手前のシールは、NTTさんが貼ってくれたID。こういう配慮はありがたい。LEDは、ブルーかグリーンで正常。ブルーはネットワークが正常である状態を示し、グリーンは、接続しているデバイスがあることを示す。
棚の上などに置くだけであれば、取付工事は不要だが、壁面に取り付ける場合は、専用のベースになる金具(小さな水準器付き!)があり、その金具を壁面などにビス止めした上で、APを取り付ける。ベース金具とAPの着脱はワンタッチなので、再起動が必要になった場合など、メンテナンス時は楽。本体が800gあるので金具の取り付けはしっかり固定できる場所を選びたい。特に天井への取り付けは素人には難しいので、工事費は発生するが、NTTに頼んでしまったほうが良い。
また、APには、AC電源用のケーブルとLANケーブルの2本をさす形になるが、取り付ける場所によっては、ACのケーブルの取り回しが難しい、あるいは、見苦しいことになる場合がある。そういう場合は、LANケーブルでの給電も可能だ。その場合はPoEハブ(給電ハブ)というものを使う。これにカテゴリー5e以上の規格のLANケーブルを繋げると、LANケーブルだけで、APに電力供給ができる。直近のAP設置で使用したPoEハブは、SANWA SUPPLYのLAN-GIHINJ5。Cisco Merakiは、30Wで動作するはずだが、余裕を持たせて60W給電できるものを選んだ。設置から3ヶ月ほど経過するが、今のところ問題なし。PoEハブは、昔はNTTのレンタルもあったそうだが、今は無いそうで、量販店での購入を勧められる。前述のLAN-GIHINJ5は、¥15,000〜20,000(2023年夏現在)。初期費用となるので、社内稟議が必要な場合は、お忘れなく。
追記:先日、別の拠点で、MerakiとSafieのウェブカメラを設置することになり、その際は、ネットギアジャパンの GS305P-200JPS を使用した。価格も安価(ヨドバシカメラで ¥5,340 2023年10月26日現在))なので、使ってみることにした。各ポートから最大30W、合計63Wまで給電可能なので、スペック的にも問題無いと判断。こちらは、設置から半年ほど経つが、今のところ問題なし。
申込みは?
私の勤務先の場合は、NTTの営業担当者が決まっているので、その方に依頼している。「こないだの〇〇拠点と同じように」というようなアバウトな依頼でも受けてくれるので、助かっている。そういう窓口的な担当者がいない場合は、ウェブからも申し込みが可能だ。ちなみに申込みの際は、光回線のID(CAF、またはCOPで始まる13桁の英数字)を聞かれる事が多い。事前に請求書などで確認しておくとよい。
業務用なので、当然のことながら、スタッフ用とゲスト用で、SSID(電波の名前)を分けることができる。申込書に希望のSSIDとパスワードを記入する欄がある。一つ、ギガらくWi-Fiの不便な点として、SSIDやパスワードを変更する際は、NTTのサポートに依頼する必要がある、管理サイトもあるのだが、使用状況の確認ができるだけで、設定の変更まではできない。
また、障害物が多いなど、設置場所によっては、APの設置場所に迷う場合もある。ひとつのフロアでもAPの台数が1台では足りない場合もある。不安があれば事前にNTTに相談し、現地調査を依頼した方がよい。