ウェブ屋さんからの営業電話で
本社のデスクに座っていると、しばしば、ウェブ制作会社からの営業電話が回ってくる。私の場合、取引先などには、携帯の番号を知らせてあるから、電話がかかってきた時点で、それは基本的に営業電話。聞いたことがない社名で、それがカタカナだったり、ファニーな名前の場合、99%、ウェブ屋さんからの営業電話である。忙しい時は困るので、居留守を使ったりするが、暇なときは電話に出てみる。ウェブ業界の動向が垣間見えたりするので、勉強になるからだ。
最低な制作会社は、テレアポ業者に営業電話をかけさせる
今から2〜3年くらい前だろうか、テレアポ業者(推測)に委託して営業電話をかけてくるウェブ屋さんが急増した。テレアポ業者のオペレーターさん(推測)は、マニュアル通りに色々話してくれ、なにかお困りごとはないですか?と質問するので、こちらが、こういう事できますか?と尋ねると、「できます」とのお答え。じゃ、こんなことも、できますか?とさらに質問すると「それもできます」と同じお答えの繰り返し。そうですか(何でもできるのか)、じゃ、一度、ZOOMでお話うかがいましょう、ということになった。
ところが、ZOOMでミーティングしてみると、こちらの意図や希望は全く伝わっておらず、相手の人たちもなんだかバツが悪そうにしている。全く話が噛み合わず、途中からわけのわからない世間話をして終わった。無駄になった30分。絶対に仕事を頼んではいけない会社リストに追加させていただいた。
おそらく依頼していた会社の人たちにも、意味の無さがわかったのであろう、テレアポ業者の利用は激減したようだ。中には、私はテレアポ業者ではありません!と誇らしげに宣言する方も現れたw
最初に確認すべきは、社員の構成
テレアポ業者に頼るような業者は問題外として、ではウェブ制作会社の良し悪しをどこで判別するか。
これは、あくまで目安としてだが、どのような社員の構成になっているか、という点は注目すべきだ。
最近はウェブ屋さんと言っても、マーケティング、SEO対策が専門、という人たちもいて、社内にエンジニア系の人がほとんどいない、という会社もある。そういうところにウェブサイトの制作を一から頼んでしまうと、あとで困ったことになりかねない。エンジニアが少なく、極端な場合、エンジニアが社外スタッフだったりするので、ページの不具合や修正の対応に非常に時間がかかってしまったりするのである。
「対応中」という名の放置プレー
以下、私の経験談。ある制作会社に依頼してWordpressで作ってもらったサイト。当初からサイト全体の表示が、少し不安定だった。ある日、投稿ページをちょっとだけいじったところ、表示がおかしくなり、都内の店舗の位置を示すはずのGoogle Map(埋め込み)が、アフリカ大陸の中央部を指し示すようになってしまっていた。それですぐに制作会社に対応をお願いしたのだが、何日経っても直らず、催促すると、逆に「どこか、変なところをいじったんじゃないですか?」と、こちらのミスを疑ってきた。こちらでは、投稿ページの文言を少し修正しただけ。対応の窓口になっている人は営業で、技術的な知識がなく、原因として何を疑うべきかがわからないのである。結局、わが都内の店舗が、アフリカから都内に戻ってくるまで、およそ1週間。その間、制作会社は「対応中」と繰り返すのみの放置プレーが続いたのだった。
社内にエンジニアがいない会社は、私に近寄らないでほしい
結論から言うと、社員の構成のバランスが適正かどうかだと思う。会社の規模や得意分野など、千差万別なので、一概には言えないと思う。したがって、あくまで私の独断になるが、ウェブサイトの制作(開発)を依頼するのであれば、営業系(カスタマーサポート)、マーケテイング系、エンジニア系の比率が1:1:1 くらい、社員の1/3が、エンジニア系ですよ、という会社を選びたいと思う。エンジニア不足で、エンジニアが過労死しかかっていたり、最初から社外のエンジニアに依存している会社は避けたいと思う。
小さくても頼れるエンジニアがいる会社もある
そしてその見分け方。営業さんとの打ち合わせの際、しばしば「エンジニアに確認します」という答えが帰ってくる。もちろん、それで良いのだが、その後、どれくらいのタイムラグで答えが返ってくるかが、一つの目安になると思う。そのタイムラグで、サイトの運用開始後のトラブル対応のスピードについても、ある程度、想像がつく。またメールでのやり取りの場合、社内に担当してくれるエンジニアがいるのなら、CCにメールアドレスが入っているはず。また、そのアドレスでも、社内か社外か推測できそうだ。念のため、お断りしておくが、小さな会社さんを否定するつもりはない。10人未満の小さな事務所でも、2/3がエンジニアで、話の通りもよく、いつもお世話になっている制作会社さんがある。SEOについては、仕事を受けないそうで、必要な場合はSEO対策に長けた会社を紹介してくれたりする。そういう割り切りも潔さを感じる。以上、私の独断と偏見に満ちたウェブ制作会社選び、でした。